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Tel:048-988-0905 越谷蒲生 にしかわオステオパシー
五十肩・四十肩の治療
-身体が教えてくれる本当の意味
第一章 五十肩の様々な原因
1 理解しておくべき基本像
五十肩という言葉はよく聞かれますが、これは肩周りの軟部組織(関節包や腱など)が炎症を起こし、次第に硬くなって動きにくくなる状態を指します。
人によって痛みの強さや経過は違います。
多くの場合、最初は強い痛みが出て、その後に動かしにくさが続き、ゆっくりと痛みは減っていきます。
しかし長い時間がかかっている方は、痛みはとれど固まってしまう方が多いです。
五十肩は、初期治療から、優しい細やかな眼差しを向けてあげることが大切です。
2 どんなことが原因になっているのか
五十肩は「肩だけの問題」ではありません。次のような原因が重なって起きます。
・筋肉や腱まわりのトラブル 回旋腱板(肩の深い腱)や関節包が傷んだり、筋膜が張って肩が動きにくくなることがあります。
・身体の連動が崩れていること
肩は肩甲骨、胸の骨、首の骨などと一緒に動きます。どれか一つがうまく動かないと、肩全体の動きにも影響が出ます。ですから肩だけでなく、周りの動きを見ることが大切です。
・神経の影響
首の関節やその周りの筋肉が緊張すると、神経がしめつけられて肩の感覚や動きに異常が出ることがあります。痛みやしびれに似た症状が出ることもあります。
・血流やリンパの流れが滞ること
血液やリンパの流れが悪くなると、炎症が引きにくくなり、治りが遅くなります。硬さがあると循環が妨げられがちです。
・生活習慣や負担の蓄積
同じ姿勢を長く続ける、片側ばかり使う、冷えや運動不足などが原因で負担がたまります。普段の動作にヒントが隠れていることがよくあります。
・内臓や全身状態の影響
胃や肝臓など内臓の緊張や、慢性的な体のこわばりが筋膜や自律神経を通して肩に影響を与えます。体全体の調子をみることが役に立ちます。
3 臨床的なポイント(私たちが診るときに大切にしていること)
痛みのある場所だけを見ると、本当の原因を見逃してしまうことがあります。ですから当院では次の点を必ず確認します。
・痛みが出る「具体的な動作」を一緒に教えてください(服を着る、手を上げる、寝返りなど)。
大切なのはどこが固まっているかであって、痛い所ではありません。脳は巧妙にその時その時の状況により、痛みの信号を変えています。
・首や胸、肩甲骨、骨盤の動きや日常の姿勢、歩き方、呼吸の仕方を丁寧に観察します。
第二章 大切なことは動きにくいところと弱点への気づき
~神経 血管 エネルギーの循環の重要性~
1 自分の「動きにくさ」を見つける手順
①日常で痛む動作を具体的にチェックする(衣服の着 脱、洗面、上方への手の動き等)。
②痛みではなく「できない動き」を確認する(可動域の制限を体感すること)。
③立位と座位での肩甲骨の位置、首の傾き、呼吸の浅さを観察する。
2 自分の弱点の気づきと意味
子供のころから胃が弱かった。5歳の時に右足首を捻挫し癖になっている。左の親指の付け根を骨折したことがある。人によりさまざまな弱点があります。その可動域を補うようにからだの癖が年々強くなります。
癖に気づくこと。身体は全体が自由に動けることを願っています。五十肩・四十肩は、癖により年々固まってきている身体からの警告でもあります。
3 神経 血管 エネルギー循環の観点
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神経の流れ:神経伝達が円滑でないと筋協調性が落ち、関節の安定性が損なわれます。頸椎・胸椎の微細な歪みが影響します。
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血管とリンパ:炎症除去や組織修復を促すための循環改善は回復に必須です。筋膜の緊張や胸郭の動きの制限が循環の妨げになります。
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エネルギーの循環:東洋医学では、全身の“流れ”を整えることで自然治癒力を引き出します。自律神経のバランスを整えることが痛みの軽減につながります。身体は周囲のエネルギーとつながっており、例えばからだの前側にエネルギーが集中すると、周囲と上手くつながりづらくなっていきます。
第三章 間接法で五十肩・四十肩を治療する
~身体を整える、整体の大切さ~
繰り返し説明してきましたが、痛い所は結果です。
どこが硬いかを、動きを見たり、手で触ったり、筋反射検査を使ったりして、硬いところを見つけられるかが大切です。それは肩から遠い、足の指先かもしれませんし、目では見えない、肝臓の入り口かもしれません。または身体から少し離れた、ひざの後ろのオーラやマイナーチャクラかもしれません。あるいはそれらすべてかもしれません。
硬い所が見つかったら、間接法でその硬い組織がどちらの方に引きつれているのかを触診し、一番緩むところの深さと長さで、そっと待ちます。
(詳しくはこちらのページもご覧ください→間接法とはhttps://www.nishikawa-gamou.com/%E9%96%93%E6%8E%A5%E6%B3%95%E3%81%A8%E3%81%AF)
からだの動きが大きくなり、肩が上げやすくなった時点で終わります。この過程を繰り返していきます。



